伊東 深水

前回の続き。
伊東深水は、小学校中退して、印刷会社で活字工やったりしてるんです。
とても苦労してるかと思いきや、やっぱり最初からうまい人なんですね。
10代の内にすぐ目が出てて、会社辞めてます。

モデルは奥様ということが多かったという話ですが、
お手伝いさんもいるような人気作家ですから、
料亭に取材に行ったりも多かったのでしょう。
ちなみに朝丘さんのお母様は、料亭の女将さんです。
はじめての女の子ということで、とても可愛がったそうです。

伊東深水というと、一般的には日本画家というイメージですが、
僕は今でいうイラストレーションの仕事も多いように思います。

もちろん、カラー印刷が日本に普及するのは1960年代ですし、
深水が生きた1898〜1972年とでは、アウトプットの技術は全然違いますが、
浮世絵師、版画家といった仕事を見渡すと、晩年は別としても、
今で言う所のイラストレーターと言えるのではないかと感じます。
また、美人画の注文ばかりきて、頭を悩ましたなんてエピソードもありましたが、
これもイラストレーターあるあるですね。

絵描きが描くモチーフというのは、分かりやすく個性が出やすいです。
やはり長い時間そのモチーフと向き合う訳ですから、好きでなきゃできません。
そうした意味では、深水は、生涯通して女性の美しさを愛していたのだなと感じます。