みんなのレオ・レオーニ展

『みんなのレオ・レオーニ展』を見てきました。
以前もBunkamuraで同じような展示を見てるのですが、
今回は、絵本『スイミー』の幻の原画が
展示されるというので行ってきました。

その原画5点は、絵本で使われているものとは別ものですが、
注意して見ても分からないくらい、素晴らしい仕上がりです。

なぜこれが制作されたのか、まったく謎で、
僕が思うには、今回展示されてるのは、最初に仕上げたもので、
その後、もう一度制作したものを原画として使用したという印象です。
昔は、紛失というのは結構あったのでしょう。僕も一度だけあります。
いずれにしても、本当の原画も出てきてほしいものです。

絵本に合わせて、コラージュ、水彩、油彩、鉛筆など
様々な技法を使いこなしているところも魅力的です。

今回、レオーニのアシスタントの方が、コラージュ素材の作り方を
再現していましたが、とても参考になりました。
ガラス板かアクリル板に水彩を塗り、
それを紙に転写して素材を作るというものです。
筆よりも偶然性の高い塗りムラが出来て、面白い仕上がりになります。

自然の偶然からヒントを得て、創造性を高めていくというのは、
レオーニ作品全体に感じとれることでもあります。

レオーニは、ピカソやデ・キリコの作品が飾ってあるような
美術素養の高い家に生まれ、オランダ、イタリア、スイス、アメリカ
などで、他言語を使いこなして学び、グローバルに仕事をしたという
美術エリートですが、作品自体はとても親しみがあります。

ただ、それくらい出来ると才能や生い立ちから
周囲との違和感を感じることもあったのでしょうか、
自分の存在をポジティブに捉えた自己認識のお話が多いです。

「チコときんいろのつばさ」という絵本は、
黄金の翼を授かった鳥チコが、妬みから仲間はずれになりますが、
その黄金の羽を用いて人助けしているうちに、みなと同じ黒い翼になり、
仲間に迎えられるというストーリーです。
このお話などは、作者自身のことかなと思ったりもしました。

レオーニは、1999年イタリアのトスカーナで亡くなります。
晩年のインタビュー映像では、いくつになっても創作を楽しんでる感じが
伝ってきて、その辺りもとても憧れるところでした。