芳年展

先日見た、芳年展についてです。

幕末から明治初期の激動の時代。広重や国芳から遅れること約40年。
浮世絵が衰退し、銅版画、洋画、写真など、新しいものがどんどん入って来る中、
最後の浮世絵師として53歳で亡くなるまで多くの作品を残してます。

まず、めちゃめちゃ上手かったです!
12歳で歌川国芳に入門して、15歳の頃には仕事を始めています。
中学生くらいでこんな上手いと僕なんかからすると全く可愛くないですが、
上手い人は最初から上手いですし、背伸びしてるというよりは、
初期から達筆といった印象です。

美人画、風俗画、歴史画、活躍したジャンルは多岐にわたります。
しかし、芳年と言えば、“血みどろ絵”。

今回初めて本物を見て、やはり血の表現に特別な拘りを感じました。
印刷だと出ないような血の濁り、滴り、血吹雪。やはり傑作です。
ただ、怖いです。真偽は知りませんが、
漱石が一度買ったけど手放したなんて話も分かる気がします。
もしかすると、ちょっと性的な趣向があるのかな…。
ちなみに、芳年はバツ2みたいです。

個人的に好きだったのは、武者絵。
ジャップした一瞬を捉えてバチっと決める構図が絶妙です。
ポーズやシーンのアイデアが豊富で、昭和の劇画に相当な影響を与えてる気がします。

あと、希少な版木も展示されてました。
浮世絵の終期ということもあって、作品を通して彫師や刷り師たちの気概を感じます。
芳年の筆の線の勢いや細かさをよく彫り出してるし、
多色刷りやぼかしの技術など、工芸的な極みです。

量も質も充実してましたが、
あと芳年の戯画なんかをもう少し見れたら、最高でした。